厚底×カーボンの靴は怪我に繋がりやすい?
厚底が陸上競技で流行るだなんて思っていなかった。
やんちゃ系の筋盛りボーイやホストルックな男性、または安室ガールやギャルしか履かないモノだと思っていた。
(いちいち平成すぎる)
しかし、時は2017年。
Nikeが突如「ヴェイパーフライ4%」たるシューズを発売した。
厚底自体は昔からあったが、それらは速く走るための靴ではなかった。
しかし、さすが世界のNike。
厚底の中にカーボンプレートを挟み込むことで高反発力を生み出した。
「早く走るための厚底シューズ」がここに完成されたのである。
するとどうだろうか。
装着した選手がフルマラソンにおいて世界記録を大幅に塗り替えた。
箱根駅伝においては青山学園の生徒たちがこぞって履いて優勝したのは記憶に新しい。
こうして世界的に厚底×カーボンの靴が流行する。
個人の能力ももちろんだが、靴一つで効率を変えてしまうのだ。
手を出さない訳がない。
しかしこの厚底×カーボンのシューズ。
とある噂を聞いたことは無いだろうか?
「カーボン系は怪我しやすいよ」
「初心者はやめておけ」
なんで?と問うと
「なんか反発強すぎてうんちゃら…」
「とりあえずやめとけ」
みたいなフワッとした答えが返ってくることが多いです。
ではここで私見を落としましょう
- 走るという行為を研究していない
- 陸上経験がない
- 記録を優先して気にしていない
このような方はまず薄いor普通のソールのモノから始めた方が良いのでは?と思っています。
理由ですか?
このような靴って一定以上の筋力や腱の剛性、接地時間のコントロールが出来る事が前提にあるんですよねー
はてさてどないなこっちゃい?
その辺を今日は語りましょうか。
では今日のトピック。
なぜ厚底×カーボンの靴は怪我に繋がりやすいか?
これで行きましょう。
厚底×カーボンでなにが変わる?
先に答えを出します。
「反発力」です。
薄底と比べての比較論文も多いですね。地面から返ってくる力が約10%違うという論文もあります。
Nike自身はランニングエコノミー(酸素消費量)が約4%改善したという報告をしています。
だからヴェイパーフライ4%なのだ。
「たかが数%かよ…」
舐めてはいけません。
靴一つで効率が上がるんですよ?
どんだけ凄い事か。
反発を使えているのか?
先程は厚底×カーボンの靴は反発力が違うと言いました。
では、次のステップです。
反発力をいかに効率の良い走り方にもっていけるか?
が課題になります。
走るという行為は言い換えれば
「いかに速く・効率よく前に進めるか」です。
反発力を使いつつ、いかに効率よく前にいけるか。
無茶苦茶難しいんですよ?これ…。
それこそコンマ数秒の世界です。
そして別視点で考えてみますね。
その反発力、どう吸収するんや?
本気で走るという行為に取り組まれてる方は
反発力というエネルギーをいかに前にタイミングよく受け取れるかに取り組んでいます。
※もちろんそれだけじゃない
いわば、ロスが少ない様に取り組まれてるんですよね。
しかし、そうでない方はどうでしょう?
そこまでロスなく走れる方は多くないでしょう。
ではその場合、ベクトルのズレた余剰分のエネルギーは誰が吸収してくれるんですかね。
関節のズレ?靭帯のストレス?筋の過剰な収縮?
このように何かで代償するでしょう。
こうなると各組織にダメージが積み重なるように思えて仕方ありません。
個人的には足首周り、膝周り、次いで股関節周りに負担が大きくなると思います。
結果として腰痛とかも出そうですね。
そもそも「正しく走れる」前提の設計
何度も言いますが「速く走る」という行為は単純そうにみえてとても深い世界です。
ミリ単位・コンマ数秒の身体操作のズレが許されません。
昨今のスポーツ科学の進化とは目覚ましい。
理想のフォーム、理想の身体操作・タイミング
全てが計算されています。
計算されてもまだ、限界のその先の記録に向かって走り続ける。
トップ層の世界は私ごときが語るのが憚れる程の限界の世界です。
その「正しく走る」というのを極限に突き詰めた人たちに提供されるのがこのシューズであります。
では我々はどうでしょうか?
「そこまでやらないよw」
みたいな人は多いと思います。
そのような方がギリギリの身体操作ができるのでしょうか?
初心者でできてるのであればダイヤの原石です。
今すぐコーチを捕まえましょう。
- 初心者
- 楽しめたらいいな
- 速くは走りたいけど、追及するまでもない
言い方が失礼かもしれませんが、こういったのに該当する方にはおススメ出来ないんですよね。
結論
履くと速くなる。
これ自体は間違いないと思います。
走るという行為は人間の本能の一部だと思います。
誰に教わらずとも、自然にある程度はこなせるんですよね。
だから厚底×カーボンの靴で最大効率とは言わずとも、多少の記録の向上はあり得るでしょう。
しかし、カーボンソールは反発力が高い。
ズレた反発力やたりない筋力でその力を支えられるのでしょうか?
積み重なったダメージはどうなるでしょうか?
身体操作という難しい項目に取り組んでない人が精細なコントロールは可能でしょうか?
その感覚すら微妙なのに、厚底という足裏の感覚の鋭さがより求められるこのシューズは果たしてどうなんでしょうか?
結局そういった力の処理がうまくいかない事でケガに繋がるんですよね。
だから、初心者やエンジョイ勢にはお勧めしないのです。
身体が追いついていなければパフォーマンス向上だけではなく負担の増加になるのだ。
じゃあ私は何を履けば!?
厚すぎないソールからでいいです。
カーボンはもちろん抜きで。
そしてちゃんとサイズ合わせをしましょう。
カッコいいからって理由だけで合わないシューズを履いちゃだめよ?
そして、しっかり靴ひもを縛りましょう。
それだけでも少し変わるかもしれません。
それでも何かしらの不調や痛みを抱えている方。
靴だけじゃないかもね。
他にも原因があることが多いです
もし、分からないのであれば相談ください。

