8月の休診日は、5日、11日~13日、19日、26日、31日となります。

怖い話①

数日前に少し早めのお盆休みを頂いておりました。

実家に帰ってまったり過ごさせていただきました。

何度か話していますが、私の実家は滋賀にあります。

比叡山の麓の村です。

そんなとこに住んでるもんですから、まぁ大自然な訳です。

夜は明かりも少ないし、星がきれいです。

さて、そんな夏の日はね。
ゾゾゾ~とした怖い話でも話そうではないか。

私のホラー体験談を今日は書いてみよう。

こういう内容も、面白いかと。

目を開けると

自慢ではないですが、私のお家はめちゃくちゃデカい。
部屋数だけでいえば15部屋くらいあるのか?

正しい計算方法は分からんが。

金持ちアピールとかではなく、シンプルに田舎あるあるだと思ってください。

えーとね、土地が安いのよ。

どれくらいかって?
家付き土地付き家具付きの中古ハウスが800万で売られてるくらいです。

まぁそんな地域なので色々と安いんです。
だから家もでかくなりがち。

決して実家が極太とかではないはず。

んで、小学生の頃は二階の4.5畳くらいの小さな部屋を自室として割り当ててもらってたんです。

その頃は特になんにもなかったんですが、中学3年くらいの時に
「手狭だろう」という事で廊下を挟んで反対側の8畳ほどの部屋に自室を引っ越しする事になりました。

そこからでしょうか。

夜中、寝ているときに度々

「ギシ…ギシ…」

と人が歩く音が聞こえるようになりました。

気付いた当初は祖父母も二階の奥の部屋で寝てたので
「あぁ、じいちゃんがトイレにいってんのかな?」

位にしか思ってませんでした。

実家は一階と二階、両方にトイレがある造りです。

じいちゃんは夜中にトイレで2時~3時くらいに二階のトイレに行くのは知ってましたからね。

「あぁ、トイレか。」
くらいで特段気にもしていませんでした。

しかし、ある日の夜中。
また目が覚めた時です。

「ギシ…ギシ…」

(あぁ、じいちゃんのトイレね…)
(なーんか起きてまうなぁ。ま、寝よ。)

「ズル…ズル…」

「ガシャ…ガシャ…」

(ん?音が、違う?)

足音だけじゃない。
布がすれるような音と軽い金属がぶつかるような音が聞こえる。

さすがにここまでの異音。
違和感を抱きます。

「じいちゃん…なのか?」

いやしかし、じいちゃんにしては足取りが重たすぎないか?
じいちゃん、武装するわけないもんな?

色々と考えました。
しかしこういうのは気にしたら負け。

その日は怖い気持ちを抱え隠す様に布団にくるまって寝ました。

翌日、朝にそれとなしに聞いてみました。

「じいちゃん、昨日トイレいつ行った?」

「ん?昨日は珍しく行ってないぞ。」
「おかげで今日目覚め良かったしな。」

…となると、あの足音は何だったのか。

得体のしれない何かが歩いてる。

そうとしか考えられなくなってきました。

しかし、実際に目で見てやろうという気概は無い。
だって怖いし。ホラーとか苦手だし。

しかし当時の私はまだまだ思春期。

親に「お化けが怖い」だなんて口が裂けても言えませんでした。

それからというもの
ふと、夜中に目が覚めた時に異音はほぼ必ず聞こえました。

しかし、こう毎日聞かされてると不思議なもんで。
慣れました。

もはや異音が聞こえても

「あー、また歩いてるなぁ~」

くらいになっていました。

更に不思議なもので、未知なる存在に対して解析まで始める。

恐らくだが、音を聞くに歩いてるのは二人。

一方は何かを引きずってる存在。
もう一方は鎧?でも着たような存在。

「霊道」って言うんですかね?
まぁそんなものが家にあるのかな??

そんで夜中に家の廊下を彷徨ってるんかね?

このくらいの思考できるほどには余裕が生まれてました。

ずるずると音をさせる存在には「布女」
ガシャガシャいう存在には「鎧武者」

勝手に名前まで付けてるほどには余裕でした。
※性別なんて分からないけど勝手に命名

まぁ、余裕ぶっ放せるのも理由がありまして。

この存在は廊下は歩きますが、部屋には入ってくることはありませんでした。
目で見えなきゃ何も怖くない。

よし、悪さされなかったら共存しときゃいんじゃね?

ただ、二階の廊下には歩いてるだけのナニカがいる。

それだけでいいや。

このように考えるようになってきました。

そして数年が経ち、高校2年の夏の日の事です。

夜中、またふと目が覚めました。

「ズル…ズル…」

(またいつもの音か。
今日は布すれる音がするから「布女」の方か…)

寝ぼけた頭でも、これくらいは考える。

(明日も早いから、気にせずに寝るか…)

私は再度寝ようと試みる。

「ズル…ズル…」

「ズル…ズル…」

「ズル…ズル…」

明らかに音が大きくなってる。
というか、これ近づいてきてないか?

私の実家はちと変わっており、廊下と部屋が4枚のスライドドアで区切られている。
冬は寒いから閉めるのだが、夏の日は通気性を重視して2枚程開けている。

今日に至っても私はドアを開けていた。

「ズル…ズル…」

(これ…部屋に入ってきてないか?)

「ズル…ズル…」

明らかに足音が大きくなる。

「ズル…ズル…」

ヤバい。

ヤバい ヤバい ヤバい ヤバい ヤバい ヤバい 。

焦る。

私は強く瞼を閉じる。

見ちゃいけない。絶対ダメだ。

本能がそう告げる。

「ズル…ズル…」

「ズル……」

足音が止まった。

しかし、分かる。そこにいる。
絶対にいる。

足音の位置で分かる。

私の寝ているベッドの横にいる。

必死に寝たふりをしてみる。

寝れる訳がない。

動悸は激しくなる。

しかし横まで来たそれは
まるで動く気配が無い。

しかし、分かる。
すぐそこにいる。見ては無い。
が、いるのが分かる。

恐怖で目を瞑る。

まだ動かない。

もう、ここまでくると恐怖心もそうだが
好奇心が湧いてしまう。

___こいつは何者なのだ。

気になってしまった。

ここまでビビらせやがって。

私の中で覚悟が決まる。

「見てやる。」

決めた。この目で存在を確かめてやる。

私は一思いに目を開ける。

眼前

そこには「黒いなにか」があった。

ただただ、黒い。

夜だからではない。
夏の夜はカーテンも空けている。
月の光は入るはず。

夜であろうと通常ならうっすらと天井が見えるはずなのだ。

しかし、目を開けた時に見えるのは

一部の空間だけ塗りつぶされたかのような

黒いなにか

「え?」

思考が止まる。

なんだ?何がいる?
分からないが目の前にいる。

焦って瞬きをした、その刹那

黒いなにかは消えた。

いつもの部屋の天井が見える。

引き紐の照明。木目の天井。土壁。

いつもの部屋。

____しかし、いた。

はっきりと見えていた。
黒いなにかが見えた。

顔のすぐ前に”黒いなにか”がいたのだ。

確証は無い。

恐怖でただ目がおかしくなっただけなのかもしれない。
強く閉じた瞼が何かしら影を作ったのかもしれない。

しかし、その日以降から

ズルズルという引きずる音は聞こえなくなった。
ガシャガシャいう音もしばらくはいたが、ほどなくして、その音も聞こえなくなった。

あの日以降、音が聞こえなくなった以外に何かが変わった等は無い。

自身に不幸が降りかかった訳でもない。
家族など大事な人にも何かがあったわけではない。

この事を家族に聞いても
誰も何も知らない。
誰も何も聞いてない。

ただ、私だけが覚えている不思議な夏の出来事である。

後日談

この話を成人した後に父親に話してみた。

「あー、もしかすると…」

まるで、なにか心当たりがあるような素振りである。

父が話を始める。

「お前が小さい時、家増築したやろ?」
「あん時さ、使ってない古井戸を埋めたんよね。」

確かに。
私が小学校に入る前くらいに我が家は増築をしている。
その結果、とんでもない部屋数になったからな。
うっすらと記憶にあるな。しかし古井戸の話は初耳だ。

父親は続ける。

「そこでさ、その古井戸のとこで作業員の人がこの世のもんじゃないヤツ見たらしいねん。」
「やから急いでその道の方にお祓いをしてもらったねんなぁ。」

見たんだ。
嫌な予感がする。

私は問う。

「古井戸って…どのあたりにあったん?」

「ん?場所か?」

「____ちょうどお前の部屋の下あたりやで」

嫌な予感というものは当たる。
当たってしまうのだ。

「そういやその人、言ってたな…」

それ以上はやめてくれ。
嫌な予感しかしない。

こちらの気持ちをよそに父親の口は開かれる。

「異様に長い白い羽織を着た、髪の長いヤツやったらしいわ」

「顔が真っ黒な、ヤツやってんて。」

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