9月の休診日は、2日、9日、16日、23日、30日となります。

○○剥がしという言葉

○○剥がしという言葉

ネーミングってすげぇと思います。

基本、ネーミングって何かを識別するために付けることが多い。

人の名前なんか分かりやすいですよね。

太郎、二郎、権三郎。

まぁ同じ太郎が100人いたら識別できんがね。
その辺はまぁモノの例えよ。

そら名前には愛着とか意味とか色々あるでしょうが
少なくとも「こいつは誰や」という識別の役割はある。

ただ、専門的なものになってくると急に分かりにくくなる。

車のエンジンとかまさにそれ。

EJ20とかB16Aとか。

車好きなら
「おお、EJ20ね」
となるんでしょうけど、知らん人がこの文字列みても

(‘ω’)「なんじゃそれ」

です。

ところが世の中には、名前を聞いただけでなんとなく中身まで想像できるものがある。

鼻セレブ

すごいよね。
「鼻」と「セレブ」ですよ。
もう名前だけでなんとなく分かる。

「なんか鼻に使う、ちょっとええやつ」

って分かる。

ネーミングだけで商品のイメージまで伝わる。
こういうのはセンスあるなぁと思うわけです。

さて。

そんなネーミングの話をしたのも、ちょっと気になるネーミングがあるからです。

『○○剥がし』

みたいなやつ。

『○○剥がし』 の妙

少し煙に巻いた発言でしたが、言っちゃいます。

  • 肩甲骨剥がし
  • 筋膜剥がし

この辺ですね。すごいよね。

名前だけで何をするのか、なんとなく分かる。

肩甲骨を……なんか……
剥がしてくれるんでしょうね…?

知らんけどな。

でも、ここがネーミングの面白いところだと思う。

そうですね。
「肩甲骨剥がし」という言葉だけが道端に落ちてるとしましょう。

見つけても
「なんやこれ」で終わるよね?

ところが、

「肩こりには肩甲骨剥がし!」

となった瞬間
「あぁ、肩こりに対する何かなんだな」となる訳です。

なんなら、どんなことをしてくれるのかまで多少の想像ができてしまう。

さぁではここで言葉の装飾を追加してみよう

「肩首の不調は肩甲骨の動きの悪さが原因。肩甲骨剥がしで肩首スッキリ!」

とか書かれるとどうでしょうか。

なんかそれっぽいでしょ?
急に医学的っぽくなった訳です。

ここにさらに、

「肩甲骨周囲の筋膜の癒着を剥がし、肩甲上腕リズムを改善することで……」

とか理論を足していく。

もう完全にそれっぽいじゃん?

いや、別にこれが全部間違ってると言いたいわけじゃない。
そういう手技を否定したいわけでもない。
各院、個人の施術者が方法を確立しているのは別に良い事だしね。

ただ、

名前って、それだけで中身に意味を付け足してしまう力があるよね。

と思うんです。

「肩甲骨剥がし」という名前が付いているだけで
「肩甲骨に何か特別なことをしているんだろう」

と思ってしまう。

でも、じゃあ実際に何をしているの?

となると、これがまた難しい。

肩甲骨剥がしなんて、学校の教科書に載ってません。
テストにも出てきません。

「肩甲骨剥がしとはこういう手技です」
「この動きを肩甲骨剥がしと言います」
「Q.この動きは何でしょう?
 A.肩甲骨剝がし」

なんて無いんです。

各院によってやってることも違うでしょう。

肩甲骨を動かしているのか。
周囲の筋肉を触っているのか。
関節の動きを出しているのか。
単純に気持ちいい刺激を入れているのか。

それはもう、その人が何を「肩甲骨剥がし」と呼んでいるかによる。

つまり、

名前は同じでも中身は同じとは限らない。

ここが面白い。

そして、ここで一つ疑問が出てくる。

本当に効くんですか?

知らん。

いや、知らんのよ。
「肩甲骨剥がし」という名前だけでは。

だって中身が分からんもん。

同じ「肩甲骨剥がし」という名前でも、
施術者Aがやっているものと施術者Bがやっているものが同じとは限らない。

そもそも名前が付いているからといって、それだけで効果まで保証されるわけでもない。

これは「肩甲骨剥がし」に限った話じゃない。

「骨盤調整」とか
「筋膜リリース」とか

我々の業界には色んな名前のついた事象があります。

名前がある
 ↓
なんとなく意味が分かる
 ↓
理論が付いている
 ↓
なんとなく医学的に見える

この流れがまぁ結構強いわけで。
一般の方からすればこの辺は「ほう…?」となる訳です。

たださぁ…

「肩甲骨剥がし」という言葉が先に立つと
手法のために目的を後から付け足すという形になりがちになる。

本来は、

患者さんの状態を見る
 ↓
目的を決める
 ↓
その目的に合う手法を選ぶ

という順番のはず。でも手法を前面に押し出すと、

肩甲骨剥がしという手法がある
 ↓
じゃあ肩こりには肩甲骨を剥がそう
 ↓
肩甲骨の動きが悪いことを原因にしよう!

というふうに、順番がひっくり返ることもあるんじゃないかなと。

もちろん、実際にはそんな単純な話ではないでしょう。
肩甲骨剥がしを入口にして、そこからちゃんと評価している人もいるでしょう。
我々とて慈善事業じゃない。マーケティングはきちんとしなきゃ食い扶持は無くなっちゃうので。

だから「肩甲骨剥がし」という名前が悪いわけじゃない。
その行為を批判したいわけでもない。

ただ

名前が先にあることで、名前に合わせて物事を見てしまうことがある。

知らずの内に視点の歪みが、ネーミングによって引き起こされる可能性があるという事。

私はそれが怖いから
「手技に名前を付けて売る」ということをしていないんですよ。

まず症状を確認する。

状態や動きを評価して、起こっていることを把握する。
その上で、その人に何ができるかを考えて施術する。

名前が先にあるんじゃなくて、その人の状態が先にある。

まぁ、私はそれでいいかなと思ってます。

最後に

名前ってすごい。

ただの言葉なのに、
「なんか良さそう」
「なんか効きそう」
「なんか専門的そう」

まで勝手に付いてくる。

そう考えると

ネーミングってすげぇ。

ただし取り扱いには注意。

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